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MTG:ターン内のステップとフェイズについて テキスト

こんにちは、ターンのステップとフェイズに関するジャッジアカデミーのモジュールへようこそ。
このモジュールでは、最初にターンの構造の概要とステップとフェイズの一般的な機能を説明した後、ターンの各ステップとフェイズの詳細を掘り下げていきます。
一般的なMagicのゲームにおいて、いつ何が起こるかについて学んでいきます。
このモジュールを終えることで、あなたはターンの構成、各ステップとフェイズで何が起こるか、そして一般的なMagicのゲームをどのように進行するかを知ることができます。

Magicのターンは5つのフェイズで構成されており、そのうちいくつかのフェイズには複数のステップが含まれています。
最初のフェイズは「開始フェイズ」です。開始フェイズは順に「アンタップ・ステップ」「アップキープ・ステップ」「ドロー・ステップ」の3つからなります。
次は「戦闘前メイン・フェイズ」です。メイン・フェイズには個別のステップはありません。その後、「戦闘フェイズ」に移ります。戦闘フェイズは順に「戦闘開始ステップ」「攻撃クリーチャー指定ステップ」「ブロッククリーチャー指定ステップ」「戦闘ダメージ・ステップ」「戦闘終了ステップ」の5つからなります。
戦闘フェイズの後、「戦闘後メイン・フェイズ」があります。最後に「終了ステップ」があります。終了ステップは順に「終了ステップ」と「クリンナップ・ステップ」の2つのステップからなります。
ステップを含まない「メイン・フェイズ」はさておき、各ステップについて個別に説明します。各ステップにはMagicを機能されるそれぞれの要素が存在しています。
ただし、その前に、ステップとフェイズの一般的な機能と、それらについて説明するために使用する用語についてお話致します。

ドロー・ステップでカードを引くなど、ターンの特定の部分で常に行ういくつかの処理が存在します。
これらは「ターン起因処理」と呼ばれ、それらが発生するステップとフェーズで、それぞれ説明します。
誘発型能力や呪文とは異なり、ターン起因処理はスタックを用いず、プレイヤーによってコントロールもされません。
プレイヤーは「ターン起因処理」に対応して何かをすることはできません。
それらは、然るべきステップやフェイズの最初に自動的に処理されます。
さらに、全てのステップ、またはフェイズの終了時にマナ・プールに残っているマナを空にする、という追加のターン起因処理が存在します。
ターン起因処理は、「あなたは、ステップやフェイズの終了時に際して未使用の緑のマナを失わない。」を持つ《マナの座、オムナス/Omnath, Locus of Mana》や、「あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。」を持つ《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》のようなカードによって、変更され得ます。
ターン起因処理を、「アップキープの開始時」や「戦闘ステップの開始時」のような、ターンのあるタイミングで起こる誘発型能力と混同しないことが重要です。
これらの誘発型能力は、ターン起因処理のように常に存在するのではなく、カードによって生成され、スタックを用い、プレイヤーによってコントロールされています。

ほとんどのステップとフェイズにおいて、プレイヤーは呪文を唱えたり、能力を起動するための優先権を得ます。
呪文を唱えたり、能力を起動するたびに、処理されるプロセスがあります。
まず初めに、状況起因処理をチェックします。
次に、プレイヤーが最後に優先権を得てから誘発した能力がないかを確認します。
確認するものとして、状況起因処理をチェックした結果誘発した能力も含まれます。
誘発型能力が誘発していた場合、それらはプレイヤーが優先権を得る前にスタックに置かれます。
まず、アクティブ・プレイヤーは、いくつかの誘発型能力が他の誘発型能力よりも先に誘発していたとしても、自分がコントロールしている全ての誘発型能力を任意の順番でスタックに置きます。
次に、非アクティブ・プレイヤーがコントロールしている全ての誘発型能力をスタックに置きます。最後に、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。

ターンの各ステップとフェイズについて詳しくお話する前に、ターン内におけるステップからステップへの移行の手順について確認する必要があります。
プレイヤーが優先権を獲得するステップやフェイズの場合は、シンプルです。スタックが空の状態で、両方のプレイヤーが優先権をパスすると、ゲームは次のステップやフェイズに移行します。
プレイヤーが優先権を得ないステップがいくつか存在します。
これらのステップでは、適用できる全ての処理が完了すると、ゲームは自動的に次のステップに移行します。
その処理については、これら特定のステップを取り扱う際に、詳しく説明します。

それでは、各ステップとフェイズの説明に移ります!
既にご存知かも知れませんが、ターンの最初のステップは「アンタップ・ステップ」です。
知らないかも知れませんが、アンタップ・ステップには実は2つのターン起因処理が存在しており、パーマネントのアンタップは最初の処理ではありません!
正確な処理としては、アンタップ・ステップの開始時に最初に処理されるのは、アクティブ・プレイヤーのフェイジングを持つ全てのフェイズ・イン状態のパーマネントをフェイズ・アウトし、逆に、フェイズ・アウトしていた全てのパーマネントがフェイズ・インすることです。
フェイジングは古い能力であり、統率者戦以外ではほとんど関係ありませんが、知っておくと良いでしょう。更に重要なことは、その処理の後、アクティブ・プレイヤーは自分がコントロールする全てのパーマネントを同時にアンタップします。
通常は、アクティブ・プレイヤーがコントロールする全てのパーマネントが含まれますが、例えば《睡眠/Sleep》の能力などによってクリーチャーがアンタップすることを妨げるように、いくつかのカードはパーマネントが通常通りアンタップできないようにする場合があります。
プレイヤーは、アンタップ・ステップで優先権を得ることはありません。つまり、先程お話したフェイズの移行に関するプロセスは発生しません。
状況起因処理はチェックされず、誘発する誘発型能力がある場合でも、アンタップ・ステップ中はスタックに置かれません。
それには、クリーチャーがアンタップしたことをきっかけに誘発する誘発型能力を持つカードも含まれます。
それらの誘発型能力は、次にプレイヤーが優先権を得る、アップキープ・ステップにスタックに置かれます。
アンタップ・ステップでは、どのプレイヤーも優先権を得ないため、このステップのターン起因処理を全て完了すると、すぐに次のステップに移行します。

次は「アップキープ・ステップ」です。
このステップには、ターン起因処理はありません。そのため、プレイヤーが優先権を得る手順に進みます。先程お話した通り、まずはじめに、状況起因処理をチェックします。
次に、プレイヤーが最後に優先権を得てから誘発した能力をスタックに置きます。
ですが、直前のアンタップ・ステップではプレイヤーは優先権を得ません。そのため、スタックに誘発型能力を置くのはこのタイミングが初めてとなります。
アクティブ・プレイヤーが先に、任意の順番で誘発型能力をスタックに置きます。例えば、アンタップ状態になる度に誘発する能力を持つ《理想の調停者/Arbiter of the Ideal》と、アップキープの開始時に誘発する能力を持つ《忘れられた作品/Forgotten Creation》の両方をコントロールしている場合、《理想の調停者/Arbiter of the Ideal》が《忘れられた作品/Forgotten Creation》よりも先に誘発したとしても、スタックにはこの2つの誘発型能力を任意の順番で置くことができます。
次に、非アクティブ・プレイヤーは、任意の順番で誘発型能力をスタックに置き、その後、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
アップキープ・ステップでは、プレイヤーが優先権を得るため、両方のプレイヤーがスタックが空の状態で優先権をパスするまで、次のステップに移行しません。

開始フェイズの最後のステップは、「ドロー・ステップ」です。
あなたが想像する通り、ドロー・ステップにはターン起因処理が存在します。
このステップで最初に起こることは、アクティブ・プレイヤーがカードを1枚引くことです。
このドローは、「発掘」のような他の処理に置換したり、様々なカードの効果によって妨げられることもありますが、通常であれば常に処理されます。
プレイヤーが優先権を得る前に、カードを引くことで誘発した能力も含め、アップキープ・ステップ以降に誘発した能力がスタックに置かれます。
その後、プレイヤーはアップキープ・ステップで行ったように、優先権を得ます。
プレイヤーはドロー・ステップで優先権を得ますが、まだメイン・フェイズではないことに注意してください。
つまり、スタックに置くことができるのは、インスタントや瞬速を持つ呪文、起動型能力のみです。
そのため、ドロー・ステップで《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を唱えた場合、対戦相手がそれを唱える機会を得る前に、相手が引いたソーサリーを唱えられる時にのみ唱えられるカードを取り除くことができます。

次に、ターンの2つ目のフェイズである「戦闘前メイン・フェイズ」に移ります。
このフェイズには、個別のステップは存在しませんが、少し珍しいターン起因処理が存在します。戦闘前メイン・フェイズで最初に処理することは、アクティブ・プレイヤーがコントロールする英雄譚に、伝承カウンターを1個置くことです。
これは、全てのターン起因処理と同様に、スタックを用いません。ドミナリアに存在する英雄譚をプレイしている場合にのみ関係します。
その後、プレイヤーは優先権を得ますが、メイン・フェイズにはいくつかの追加のルールが存在します。
アクティブ・プレイヤーは、優先権を持ち、スタックが空の状態で、このターン中にまだ土地をプレイしていない場合、メイン・フェイズにプレイすることができます。
アクティブ・プレイヤーは優先権を持ち、スタックが空の状態である限り、ほとんどのクリーチャー、アーティファクト、ソーサリーのような呪文をプレイすることが可能です。

3つ目のフェイズでかつ最も複雑な「戦闘フェイズ」に移ります。
戦闘フェイズの最初のステップは、「戦闘開始ステップ」です。
ターン起因処理は存在しないため、状況起因処理をチェックした後、スタックに誘発型能力を置きます。
「戦闘の開始時に」と書かれた誘発型能力が、非常に一般的なものです。
その後、他のステップと同様に、プレイヤーは優先権を得ます。
この時、既にメイン・フェイズではないことに注意してください。よって、対戦相手が有利を得る呪文を唱えたとしても、この時点でソーサリーのような呪文を唱えることは遅すぎます。
それらの呪文は、次のメイン・フェイズまで待つ必要があります。

次のステップは、「攻撃クリーチャー指定ステップ」です。
ターン起因処理として、アクティブ・プレイヤーはこのステップで何かが起こる前に攻撃クリーチャーを指定する必要があります。
指定された攻撃クリーチャーは適用されるルールや制限に基づいて適正である必要があり、全てのターン起因処理と同様に、これはスタックを用いず、攻撃クリーチャーが指定されるよりも前に対応することはできません。
クリーチャーが攻撃する時に誘発する誘発型能力は多数存在するため、プレイヤーはが優先権を得る前に、それらはスタックに置かれます。
その後、アクティブ・プレイヤーが通常通り優先権を得ます。

ご想像の通り、次はブロック・クリーチャー指定ステップ」です。
攻撃クリーチャーが指定されておらず、また攻撃している状態でクリーチャーが戦場に出ることもない場合、このステップは完全にスキップされます。
攻撃クリーチャーが存在すると仮定すると、このステップの最初の処理は、防御プレイヤーがブロック・クリーチャーを指定することです。この指定も適用されるルールや制限に基づいて適正である必要があります。
次に、スタックを用いないターン起因処理として、アクティブ・プレイヤーはブロックされたクリーチャーのダメージ割り振り順における位置を宣言する必要があります。
最後に、状況起因処理をチェックし、誘発した能力をスタックに置くと、アクティブ・プレイヤーは優先権を得ます。

これで、「戦闘ダメージ・ステップ」への準備ができました。
「ブロック・クリーチャー指定ステップ」と同様に、攻撃クリーチャーが指定されておらず、また攻撃している状態でクリーチャーが戦場に出ることもない場合、このステップは完全にスキップされます。
このステップの最初の処理は、アクティブ・プレイヤー、そして防御プレイヤーがそれぞれ、クリーチャーがどのようにダメージを割り振るかを宣言することです。
プレイヤーは、ブロック・クリーチャー指定ステップで宣言した割り振り順における位置を守る必要がありますが、全てのルールと制限が守られている限り、各クリーチャーに与えるダメージに関して、裁量が与えられています。
次に、スタックを用いないターン起因処理として、戦闘ダメージを同時に与えます。
その後、状況起因処理をチェックし、スタックに誘発型能力を置くと、プレイヤーは通常通り優先権を得ます。
このステップの特殊な点は、1ターンの間に複数の戦闘ダメージ・ステップが存在し得ることです。
攻撃、またはブロックしているクリーチャーが先制攻撃や二段攻撃を持つ場合、それらのクリーチャーのみがこのステップでダメージを与え、その後、完全に別個の戦闘ダメージ・ステップが存在します。
その戦闘ダメージ・ステップでは、二段攻撃を持っているか、この戦闘フェイズ中にダメージを与えていないクリーチャーのみがダメージを与えます。
両方の戦闘ダメージ・ステップにおいて、プレイヤーは優先権を得ます。つまり、プレイヤーは先制攻撃のダメージと通常のダメージの間に何らかのアクションを取ることができます。
他のステップと同様に、両方のプレイヤーがスタックが空の状態で優先権をパスするまで、2つ目の戦闘ダメージ・ステップに移行しません。

「戦闘終了ステップ」は戦闘フェイズのまとめです。
このステップで注意すべきターン起因処理は存在しません。そのため、状況起因処理のチェック、誘発した能力をスタックに置くこと、そしてアクティブ・プレイヤーが優先権を得る処理を行います。
戦闘終了ステップに誘発する誘発型能力の多くは、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》のような、戦闘で起こった何かを片付ける遅延誘発型能力です。
また、既にダメージが与えられていても、戦闘終了ステップが終了するまで、戦闘フェイズであることに注意することも重要です。

次に、最後から2つ目のフェイズである「戦闘後メイン・フェイズ」に移ります。
これは、戦闘前メイン・フェイズと同じですが、ターン起因処理が存在していません。
繰り返しになりますが、アクティブ・プレイヤーは、優先権を持ち、スタックが空の状態である限り、クリーチャー、アーティファクト、ソーサリーのような呪文をプレイすることができます。
また、このターンに土地をプレイしていない場合、土地をプレイすることができますが、通常は1ターンに1枚しか土地をプレイできないため、アクティブ・プレイヤーが戦闘前メイン・フェイズで土地をプレイした場合、戦闘後メイン・フェイズでは土地をプレイすることはできません。

次に、ターンの最終フェイズである「終了ステップ」に移ります。
終了ステップは、終了フェイズにある2つのステップのうち、最初のステップであり、アップキープ・ステップ同様、ターン起因処理がない、非常にシンプルなステップです。
通常通り、状況起因処理をチェックし、誘発した能力がスタックに置かれ、アクティブ・プレイヤーが優先権を得ます。
両方のプレイヤーがスタックが空の状態で優先権をパスすると、「クリンナップ・ステップ」に移ります。

最後に、「クリンナップ・ステップ」です。
まず、スタックを用いないターン起因処理として、アクティブ・プレイヤーの手札がその上限枚数を超えている場合、その上限枚数になるようカードを捨てる必要があります。
次に、パーマネントに与えられたダメージが取り除かれ、同時に「ターン終了時まで」と「このターン」の効果が終了します。
これらは同時に処理されるので《巨大化/Giant Growth》を唱えることで、《稲妻/Lightning Bolt》から守った2/2は、《巨大化》の効果が終了した時に死亡しません。
次に、状況起因処理と、待機中の誘発型能力をチェックします。
クリンナップ・ステップ中に何かが発生した場合、通常通りそれらは処理され、プレイヤーは優先権を得ます。
両方のプレイヤーがスタックが空の状態で優先権をパスすると、別のクリンナップ・ステップが始まります。
状況起因処理と誘発した能力がないかのチェックをしても何も起こらなかった場合、プレイヤーはそのクリンナップ・ステップ中に優先権を得ることはなく、ターンが終了し、次のアンタップ・ステップが始まります。
ターンとターンの間は存在しません。状況起因処理と誘発した能力が存在し続ける限り、1ターン中に複数のクリンナップ・ステップが存在します。
また、プレイヤーが手札の上限枚数までカードを捨てると、状況起因処理や誘発した能力によってプレイヤーが優先権を得ない限り、優先権は得られないため、いずれかのプレイヤーが何らかのアクションを起こすには遅すぎます。それらは次のターンまで待つ必要があります。

これで、Magicのゲームにおけるターンの構造については終了です。
あなたは、ターンを構成しているステップとフェイズ、ターン起因処理とその処理の内容、およびゲームがあるステップやフェイズから次のステップに移る方法について理解しているはずです。
もちろん、実際のMagicのゲームでは、どのプレイヤーもこれほど正確に処理することはまずありません。
しかしながら、ジャッジはこれらの詳細を知っていることが重要です。なぜなら、その正確さの欠如から発生する可能性がある、コミュニケーションの誤りや問題を整理する必要がある状況があるためです。

この知識をより強固なものとするために良い演習の1つは、何が起こっているのかについて完全かつ正確なMagicのゲームを数ターンプレイすることです。
そのゲームはかなり遅い速度になりますが、ゲームの処理がどのように機能しているかを確認することに役立ちます。