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MTG:地域のゲーム店と関係を築くには テキスト

コミュニティを築き、発展させることも、認定ジャッジになるために求められる資質です。

コミュニティを作るためには、地域のゲーム店との交流を築くことが肝要です。このモジュールでは、地域のゲーム店と交流を築くために何が不可欠かを、それがなぜジャッジにとって大事が(ゲーム店にとっても大事か)をお伝えしていきます。最初に、地域のゲーム店とはどのようなものか、どこで地域のゲーム店をどこで見つけられるか、なぜ地域のゲーム店が大事なのかから始めます。2つ目に、どのようして地域のゲーム店と交流を始められるか、どのような話の仕方が適切かを説明します。3番目に、地域のゲーム店との関係や地域のコミュニティとの関係をいかに育むかを詳しくお話します。モジュールの終わりでは、アドバイスと例をいくつか見せましょう。最後に、学習した内容のクイズでおさらいをしましょう。

はじめましょうか。

まず第一に:地域のゲーム店

地域のゲーム店と、その見つけ方

そもそも、地域のゲーム店とはなんでしょうか。

地域のゲーム店に人が集まる目的は通常、テレビゲームであれ非電源のゲームであれ、様々なゲームを買うためであったり、友人やそこで知り合った人たちとそれらのゲームを楽しむためです。そこではフライデー・ナイト・マジックやプレリリースのようなマジックの大会が普段から開催されていて、その結果、そういったイベントは初心者が初めてマジックに触れる機会となる傾向にあります。そのため、マジックの組織化プレイとジャッジとしての活動は、ともにここに重きを置いています。

地域のゲーム店を見つけるには

それでは、どこで地域のゲーム店を探せるのでしょうか。地域のゲーム店は、いろいろな方法で見つかります。マジックの大会を催している近場のゲーム店を探す手軽で主流なやり方は、locator.wizards.comに行き、検索バーから自分の街の店舗を探すことでしょう。他にも、(フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどの)多様なソーシャル・メディアから地域のゲーム店を探したり、ジャッジやほかのプレイヤーに訊いたり、近所を歩き回ったりするのも手です。ただ、都市の真ん中でなければ足で探すのは期待薄なので、ソーシャル・メディアやフェイスブックのグループから探し始めるのが堅実でしょう。

地域のゲーム店は、ジャッジに何をしてくれるのでしょうか。

このような疑問が浮かぶことでしょう。「ジャッジをするためにどうして、地域のゲーム店が要るだろう」と。

地域のゲーム店が必要な理由は多岐にわたります。先述の通り、地域のゲーム店は地元のプレイヤーの活動拠点です。地域のゲーム店はマジックの組織化プレイの最も重要な環境の一つであり、プレイヤーたちはあらゆる体験を期待してそこに訪れます。新しい仲間と出会ったり、カードを交換したり、試合をしたりと、コミュニティの一員である醍醐味すべてを享受します。地域のゲーム店で我々ジャッジが手助けできるのは、プレイヤーたちの仲間意識や楽しい気持ちや得られる体験すべてをより良いものにすることです。また我々にとっては、教育を行ったり、学びを得たり、トーナメント主催者と協力して働いたり、さらには他のジャッジ仲間と出会えたりもするのです!

どうして地域のゲーム店はジャッジを必要とするのでしょうか。

「なるほど、わかりました。でも、地域のゲーム店側がジャッジを必要とするのは、どうしてですか?」。この問いへの答えは、このモジュール全体を通して議論を深めていきましょう。そしてここがその出発点です。地域のゲーム店にジャッジが要る理由は様々です。ルールの知識もそうですが、それだけではありません。ジャッジは、コミュニティを作ろうというときにはお手本になりますし、カスタマー・サービスにも長けています。また、大会を円滑に進行させるにはどうしたらよいか、大会の完全性を保つためにはどうしたらよいかをジャッジは知っていますし、健全で友好的なプレイ環境を促進する術も心得ています。ジャッジは、教導したり成長の出助けをすることで、プレイヤーとトーナメント主催者の双方を等しく支えます。これはおさえてください、「ジャッジは常にコミュニティと地域のゲーム店にとって良い人財であり、それゆえにジャッジは、地域のゲーム店がジャッジと近しくあるように働きかけるのです」。

地域のゲーム店と接点を持つ

地域のゲーム店との関係を適切に確立するための最初のステップは、実際その店舗と接点を持つことです。接点を持つというのは、その店舗を運営している人たちと話をしてみて、自分が何者であるか、自分の認定ジャッジとしての目標は何かを伝えるということです。実際にはケースバイケースになりますが、この節では、もっとも一般的な方法2つをお話ししましょう。実際にお店に行ってみる方法と、ネット上のメッセージでやり取りをする方法です。

地域のゲーム店に接触する:地域のゲーム店に行ってみる

通常、地域のゲーム店に近づいて接点を持つ普通のやり方は、そこに行くことです。その店舗が主催している大会に参加したり、ゲームやカードをそこで買ったり、店員さんと会話するために顔を出したり。生身のあなたがそこにいると、心証を良くします。なので、お店まで行って直接話すことを強くお勧めします。そうすることで、トーナメント主催者やそこの店長に、ジャッジがどれだけトーナメント主催者やそこの店長とつながりを持ちたがっているかが伝わります。これはふまえてください、「プロとしての立ち振る舞いについては、最善を尽くすように常に心がけてるように」。

ネット上で接点を持つ

生身の人間がそこにいることはベストですが、誰しもそうできるわけではないことはわかっています。一番近い店舗が遥か彼方にしかないことや、立ち寄る時間を工面できない場合もあるでしょう。とりわけ、遠隔地にある小さなコミュニティではそうでしょう。なので、地域のゲーム店と接点を持つもう一つの方法を紹介しましょう。日常のIT技術を使うのです。http://locator.wizards.com/からStoresを選んで店舗を検索し、現行のソーシャル・メディアをつかって連絡をとれば、距離の問題を回避したうえで意思疎通の足場を築くことができます(フェイスブックがとりわけこれに向いていますが、店舗によっては電子メールのような他の媒体のほうが好まれます)。正確な言葉遣いに徹しましょう。そして、長々としないように。長々としたメッセージや延々と続く電子メールは、どのようなものであれ読むのに骨が折れます。

交流を築きましょう!

「接点を持ったら、次にどうすればいいですか? おしゃべりをするだけですか?」

地域のゲーム店と会話できるようになったとき、一番に優先してしなければならないのは「自らを格式づける」ことです。具体的には、自分が何者であるかをきちんと打ち立て、自分が地域のゲーム店に何ができて何故そうしたいかを、伝えるのです。そうしてゲーム店から肯定的な反応が得られたら、ゲーム店とジャッジのお互いの希望を話し合いましょう。自分がどれだけジャッジ活動をしたいのかや、ゲーム店側がどれだけジャッジにいてほしいのかを。話し合いがすべて、互いの理解と同意で終わったなら、次が大事です。それは、地域のゲーム店が持つコミュニティの一員となることです。ゲーム店の中のコミュニティにも外のコミュニティにも顔を出しましょう。その後、どうすればジャッジが地域のゲーム店の力になれるかについてアドバイスと具体例を紹介します。

自分の格式を地域のゲーム店に見てもらう

そもそも格式とは何でしょうか。

たとえば就職活動の面接では、面接官にとってできるだけ魅力的な選択肢になろうとします。それがまさに格式づけです。自分が唯一無二であることや、選ぶ側の人物の興味を引くような能力や長所を数多く持っていることを裏付けることです。今回のように、地域のゲーム店のコミュニティに自分が加わることがどれだけプラスかをそこのスタッフに理解してもらいたい場合にも、格式は重要です。

それでは、どうすれば自分を格式づけられるのでしょうか。

第一に、自分の長所を見極めることです。そうしたら次に、あなたの有用性を地域のゲーム店に教えましょう。ルールに詳しいことやトーナメントの構成に長けていること、培ってきたカスタマー・サービスの技術についてを伝えるのです。コミュニティの育成に興味があることや、プレイヤーにルールやゲームそのものどう教えるかを話すのです。どのような類の環境を自分が促進したいかは、明確にしましょう。そういったことすべてがどれだけ大事か、店舗全体にとってどれだけ役立つかを示すのです。例を使うようにして、可能なら、説明を具体的にしましょう。ジャッジがいないときに店舗で起きただろう出来事について話し、その個別の事象にアドバイスがないか考えてみましょう。

そうしたら、希望について話し合いましょう。

希望について話し合うこと

さて、地域のゲーム店の環境にとってジャッジがどれだけ価値があるかを知ってもらったところで、次に、地域のゲーム店がジャッジに何を期待しているかを聞きましょう。ただジャッジすることだけしか考えていないでしょうか。次のPTQの人員配置を手伝ったりプレリリースで一緒に働く追加のジャッジを見つけるのに手を貸してほしがっているかもしれません。もしかすると、地域のプレイヤーがジャッジにならせることかもしれませんし、そのコミュニティを店内で育むことかもしれません。ひょっとすると、他店に自店を知らしめるためかも。明確な意思疎通のためにこれらは押さえておくべき点です。

複数のイベントに手を貸そう

地域のゲーム店は、店舗でジャッジをする以上のことをあなたに期待しているでしょうか。

例えば、プレイヤーズツアー予選のジャッジや、3kオープンの全スケジュールの人員配置をゲーム店から依頼されることがあり得ます。これは妥当な要求でしょう。コミュニティ・マネージャーやフォーラムのおかげで、プレイヤーたちやトーナメント主催者たちよりも、ジャッジは他のジャッジに接触を取りやすいのです。また、ゲーム店に根ざしているジャッジにとって、ジャッジの手配はよくある仕事です。

地域のゲーム店でジャッジ・コミュニティを拡大する

ときには自分でゲーム店に行けないこともあります。そういうことが起こるのが人生です。ひとそれぞれ大事なものがあります。そして、それがきっと地域のゲーム店が複数のジャッジを持ちたがる理由でしょう。あるいは、地域のゲーム店に、力を貸したがっている別の地元のジャッジとの渡りをつけることもできます。ジャッジになりたがっているプレイヤーをならせてあげることもあるでしょう。ジャッジはすでに認定を受けるための手順を通過しているので、後進を導くためにまず悪くない助けとなります。メンターシップはジャッジ・コミュニティの中で、わけても価値の置かれるものです。そのため、あなたができる限り多くの機会を通じてメンターシップを向上させることは推奨されます。

ゲーム店のために宣伝はしていますか。

宣伝は、地域のゲーム店と特に話し合う必要のある事柄です。イベントやコミュニティについて地域のゲーム店を支援するにはかなりの力を尽くさねばならないですが、結果、地域のゲーム店とジャッジの関係は深まります。関係が深まると、地域のゲーム店は、あなたが宣伝をすることを期待するかもしれません。ジャッジや既存のプレイヤーや、あなたのソーシャル・メディアやプレイヤーの集まりを通じて宣伝してくれるだろうと。ゲーム店を宣伝するのは間違ったことでも止めるべきことでもないですが、やるべきことについて話し合いや、ともすると追加の報酬についての話し合いも、必要になるでしょう。何をしたいか、何をするのをこころよく思うか(あるいは思わないか)は、いつもゲーム店に伝えておくべきです。これはおさえておいてください、「可能な限り意思疎通をすることは常に推奨されます」。

地域のコミュニティに一員になりましょう。

コミュニティという言葉をこのモジュールで何度も使ってきました(し、まだ使い続けます)。コミュニティを形成することが、地域のゲーム店の本質です。ただゲームをするためだけの場所ではなく社交の場として、地域のゲーム店は自身の常連のプレイヤーや顧客を持とうとします。そして常連がいることはコミュニティ形成の助けになります。それが、我々ジャッジもコミュニティの一員であるように推奨されている所以です。なぜなら、地域のゲーム店のコミュニティは、ジャッジが公平で歓迎的な環境を教導し、促進し、奨励するための主たる場所だからです。そしてそうするためには、いつも誰がそのコミュニティにいるかを知らなければなりません。コミュニティの一員となり、コミュニティを成長させるのには、主に二つの方法があります。

顔を出すことは大事です。

顔を出すことが、地域のゲーム店のコミュニティの一員になるために最初にできることです。例えば、週に一回はお店に行くようにしてください。自由な時間をそこで楽しんでいるプレイヤーたちに、そうすれば出会えます。いくつかのイベントでジャッジをしてみてください。たとえば、ある週はモダンの大会を、次の週にはスタンダードのフライデー・ナイト・マジックを、とか。このような形で顔を出すと、いろんなプレイヤーと触れ合えますし、あなたがフォーマットの理解とルールの運用で幅広い知識を持っていることを見てもらえ、同時に、スケジュールも融通が利くのだと思ってもらえます。そのため、生身のあなたが顔を出すことは、コミュニティの一員となる効果的で健全な方法として、常に推奨されます。

顔を出すように言う理由はそれだけではありません。フライデー・ナイト・マジックに参加できないときだってあります。試験や仕事で忙しかったり、地域のゲーム店が毎週金曜日に立ち寄るには遠すぎたり。だからこそ、「顔を出せるうちに出しておこう」と言うのです。

……しかし顔を出すだけがすべてではありません。

いま言ったように、現地にいられないときだってあります。それでもコミュニティの一員でい続けることはできます。フェイスブックのグループやツイッターのアカウントなどのソーシャル・ネットワークで、地域のゲーム店が意思疎通や意見交換の窓口を持つことはよくあります。ジャッジもそこを利用することができますし、そうすべきです。そうすると、ルールや実際にあった状況についての疑問を持ったプレイヤーに沢山出会えるでしょう。コミュニティ内の疑問を受け止めて答えるのにこういったメディアを使うのは、非常に役立つし健全だとわかるはずです。あなたの地域のゲーム店にこういった窓口がないなら、作るように勧めましょう。こうすることでも、コミュニティへの参加とコミュニティをどれだけ気にかけているかを示すことができます。これはおさえてください、「地域のプレイヤーの信頼を得ようとすることは、レベル1ジャッジが取り組むことの中でかなり歯ごたえのあるほうですが、見返りも大きいです。あなたの知識や自信、達成を容易にしようと取り組む意欲を支えにしてください」。

アドバイスと例

これまで話してきたことに加えて、最後にアドバイスと例をお見せましょう。これは地域のゲーム店とできうる限りの良好な関係を築くべき理由とその方法をもっとわかるようするためのものであり、そうすれば地域のコミュニティとも親睦を深められます。ゲームをプレイすること、ジャッジの裁定の理解を助けること、さらには、プレイヤーが頼るのことのできる信頼の標として自身を示すこと。こうすることは間違いなくジャッジを、同様にコミュニティ全体を成長させます。

ジャッジするだけじゃなく、プレイもしましょう!

マジック:ザ・ギャザリングはカードゲームです。プレイヤーたちは地域のゲーム店に行き、まあ、プレイをしますね。そしてプレイ中プレイヤーに素晴らしい時を過ごしてもらえるように、我々ジャッジは手助けします。それならば、ジャッジもプレイすべきではないでしょうか。地域のゲーム店でプレイをすることは常に、ジャッジにとって良い実践となります。楽しいだけではなく、プレイヤーとジャッジの絆を作り、ルールとポリシーを読み議論するだけの門外漢ではないことを示せます。ジャッジはプレイして楽しむことがどんな感じかを知っている、現役のプレイヤーなのです。こうすることで必ずプレイヤーとの信頼が強まり、あなたがイベントのジャッジをすることを、より快く思うようになるでしょう。

教え、学びましょう。

認定ジャッジになりたがっている人への指導については先述しました。しかしジャッジが指導をする場合はそれだけではありません。プレイヤーもトーナメント主催者もよく間違いを犯しますが、そのほとんどはゲームについての誤解が原因です。置換効果を誘発型能力といったり、「ダメージが与えられたのに対応して」といったりしているのを、数え切れないほど聞いたことがあるでしょう。似たような例は枚挙にいとまがないです。こういった誤解を正してあげることが、我々ジャッジにはできます。種類別、誘発型能力、置換効果だけではなく大会中での良い習慣について教えたり、問題が起きたときにジャッジを呼ぶことを促したりしましょう。こうすることでジャッジはプレイヤーと交流を深め信頼を得て、以前にはプレイヤーが話しづらかったことや、訊くには下らなすぎるとプレイヤーが思った質問も、聞かせてもらえるようになるでしょう。

安心できる場所を作りましょう。

模範的な態度を示し、プレイヤーが頼ることのできる存在として、ジャッジは尊敬されます。私たちが信頼を寄せられるだけではなく、プレイヤーにとっても、知っている人間に頼れることで、ふれあいや安心感が得られます。これが仲間意識の大切さで、新しいメンバーにもすでにコミュニティにいる人にも安心できる場所を提供する理由です。仲間外れにされたりいじめられたりすることを心配することなく、ありのままの自分でいられる場所。マジックをしてくつろげる楽しい時を過ごせる場所。いまいるメンバーや今後コミュニティに加わる人たちのために、そういった安心できる場所を作り、マジックをすることをもっと楽しくするには、仲間でいることが役立つはずです。

まとめ

このモジュールも終わりです。地域のゲーム店との関係を築くことに関しての内容をこのモジュールが可能な限り網羅し、あなたの期待に適っていることを、私たちは願います。締めくくりに、これまでの話題で大事なことを手短におさらいしましょう。ルールの運用し、コミュニティの形成し、さらには困難で緊張した状況を解決するので、ジャッジは地域のゲーム店に加わることは常にプラスで価値があります。ジャッジはよりよいゲーム体験をもたらし、コミュニティを成長させます。この事実を普段から意識し、できうる限り実践し証明するのです。

意思疎通が大事です。できる限り会話をするようにしましょう。問題はいつも、考え違いから起こります。

楽しい時間を、安心できる時間を、作りましょう。プレイヤーたちに歩み寄り、できるならあなたもプレイをしましょう。あなたも仲間に加わるのです。自分の好きな趣味をするための安心できる場所をプレイヤーは探すものであり、張りつめてピリピリした場所を普通は求めていません。

最後に。自分に自信を持つのです。ジャッジが自分の能力を信じなければ、コミュニティに手を貸すなんて無理です。あなたが熟読し、研鑽し、試験を受けたのはこのためです。自分を信じましょう。

 

さて、きちんとこのモジュールを終えるために、クイズを出します! 内容を定着させるために、これまでお話したことから出題します。幸運を祈ります。